「研究」なので、前の記事を復習して話を進める。

別件 どうでもいいけれど逮捕に使える物
 → 公選法違反
本件 捜査側が本腰を入れて上げたいヤマ
 → 第2の山田洋行事件疑惑

○別件逮捕の判断

①本件と別件との罪質の相違(どちらが重いか)

480万円の公選法違反(事後買収)は軽微な罪ではないが、そのうち400万円程については事後買収にあたるか係争中である。
他方、第2の山田洋行事件ともなれば日本の政官業の癒着再来という一大事件であり、本件がより重い。

②本件と別件の関連性
別件は一選挙の運動員への報酬を問うもの、本件は政官業一体の防衛利権を問うもので全くの別物である。

③別件についての身柄拘束の必要性の程度
政治資金横領や公選法違反の疑惑は一年前に週刊誌等で騒がれており、逃走や証拠隠滅の猶予があった事から、今更の身柄拘束の必要性は低かったと言える。

④本件についての取調べ状況
2016年3月の強制捜査、4月の逮捕の時期に本件捜査が行われたと考えられる(4月に防衛システム研究所のホームページ閉鎖)。
7月1日付で防衛省2名の左遷人事である事から、このときまでに本件取調は一定の成果を上げた事が伺える。

なお『第2の山田洋行の取調』に関連する防衛省他の動きは以下である。

・平成29年4月
2017年米国通商代表(USTR)外国貿易障壁報告書
(防衛装備品の調達に関して,多くの契約が外国企業に開かれていない旨言及した上
で,)
しかし,2016 年 6 月,国防省と防衛省は,日米の産業がそれぞれの国の防衛調達に
参加する機会を公平かつ衡平にすることを目的とした,相互の防衛調達に関する覚書に署
名した。
米国はこの分野での進展を引き続き監視していく。

・平成28年7月1日
イスラエル等とも提携先を模索していた装備調達部長ほか1名を、防衛フィクサーとの交友があるとして左遷。

・平成28年6月4日
防衛相会談において中谷防衛大臣とカーター米国防長官との間で、日米の相互の防衛調達に係る覚書に署名。

・平成28年3~4月
公選法違反容疑で強制捜査、逮捕。
同時期に別件捜索の疑い。

・平成27年4月27日
日米防衛協力のための指針
Ⅶ.日米共同の取組日米両政府は、二国間協力の実効性を更に向上させるため、安全保障及び防衛協力の基盤として、次の分野を発展させ及び強化する。
A.防衛装備・技術協力
3 効率的な取得、相互運用性及び防衛装備・技術協力を強化するため、互恵的な防衛調達を促進する。

⑤別件についての捜査の進行状況
別件(公選法違反容疑)については5月初旬に起訴に至っている。

⑥本件についての物的証拠の収集程度
ゲンダイ記事には第2の山田洋行事件と書かれているが、押収されたのは軍事フィクサーと防衛省2名の関係を示す資料までである。
政官業の利権、癒着を示す物的証拠は無かったと見受けられる。

以上①~⑥の事実からすれば、公選法違反容疑での逮捕は、第2の山田洋行について取り調べる目的であるといえ、違法な別件逮捕といえるだろう。